まぶたに変化が出てきます

①霰粒腫(さんりゅうしゅ)・麦粒腫(ばくりゅうしゅ):ものもらい

まぶたのふちにある分泌腺にばい菌感染して起こる化膿性の炎症です。
まぶたの一部が赤く腫れ、痛みがでます。結膜炎があるなど、なりやすい体質の方もいらっしゃいますが、まぶたをこすったりすると悪化しやすいです。
炎症がある場合は、目薬や飲み薬などで対処しますが、何回も繰り返すと脂肪のかたまり「霰粒腫」となり、根本的に治すためには切開・手術が必要となります。

(手術)
目薬や飲み薬、軟膏(なんこう)で治らない場合は、手術で切開します。局所麻酔で日帰り手術です。
まぶたの裏側(結膜(けつまく))から行う方法とまぶたの表面(皮膚(ひふ))から行う方法があります。
手術後数日間、まぶたが腫れたり内出血(あおたん、あおぢ)したりしますが、自然に引いてきます。
手術時間は約10分です。

②眼瞼下垂(がんけんかすい)

眼瞼が開きにくく、落ちる(下垂:かすい)病気です。
先天性のものもありますが、多くは加齢による変化のものがほとんどです。
コンタクトレンズ(特にハードコンタクトレンズ)によるもの、体の病気が関係しているもの(神経の麻痺や重症筋無力症など)でも起こります。
まぶたが重い、ものを見る時にあごを上げる、まぶたが黒目にかかると見え方に影響を及ぼします。

(手術)
年齢的な加齢性変化や外傷(けが)、ハードコンタクトレンズの長期使用などが原因である場合、手術が適応です。
当院では片眼ずつ局所麻酔で日帰り手術を行っています。手術時間は30~60分です。
重症な場合や美容目的の場合は、「形成外科」をお勧め・紹介することもあります。

③眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)

年齢的な変化で、まぶたを支えている筋肉が弱くなり、まぶたが内側にはいり、目の表面にまつ毛が当たります。
そのため、目の痛みやめやに、ごろごろ感などの症状が出ます。

(手術)
症状に合わせてまぶたを外側にする手術方法を選択します。
年齢的な変化の場合、「眼輪筋短縮術」が多いです。

④睫毛内反(しょうもうないはん:さかまつげ)

まつ毛が眼球側にむかい、目の表面にあたるため、目の痛みや異物感を強く感じるほか、目やにが出るなどの症状が現れます。
まぶた自体は眼球側に反していないので眼瞼内反とは違います。

(治療や手術)
乳幼児に多く見られ、ほとんどの場合成長とともに自然に改善されます。
成長しても改善しない場合、角膜や結膜に障害が起き視力などに影響する場合は、まつげが眼球に当たらないように手術を行うことがあります。