蚊やハエが飛んでいるようにみえます

「蠅や蚊が飛んでいるみたいに見えるが、実際は飛んでない」「黒いものがついてくる」「もやっとしたものが目の前にある、消えない」「微生物みたいなもの、糸くずが浮いている」「それが黒くはない、虹色や透明にみえる」など様々な表現をされますますが、これらの症状を「飛蚊症(ひぶんしょう)」といいます。

これは、目の中の硝子体(しょうしたい)というゼリー状のものが、年齢的な変化により縮み、液体にかわるときに起こる症状です。ほとんどはこのように加齢(ねんれい)の変化でおこりますが、目を強く打つ(けがなど)などでも起こります。近眼が強い人は10歳代でみえることもありますし、原因がなくても生理的なものとして見えることもあります。これらは悪いものではありません。

しかし、硝子体が縮むときに網膜(もうまく)というカメラでいうフィルムの部分を引っ張ってくると、ときにそこに穴が開いてしまい網膜剥離(もうまくはくり)の原因となります。目の中に出血を起こすこともあります。そうなると手術を含め治療が必要になる場合があります。

このように「飛蚊症」は治療が必要な病気の原因である場合があり、眼科受診をはやめにお勧めします。また診察時は、目薬を入れて瞳をひろげて(散瞳検査(さんどうけんさ))診察を行いますので、車やバイクでの来院は控えてください。散瞳すると3~6時間ぼやっと見えますので、運転が難しくなります。事故してしまうことは避けなければなりませんのでお願いいたします。散瞳しないと、病気の原因が多くある目の周辺まで診察できない場合があります。 飛蚊症は、いいものであっても悪いものであっても消えることはありません。気にならなくなることは多いです。