ドライアイと間違えられやすい

ー眼瞼痙攣(がんけんけいれん)ー
まぶたがぴくぴくする病気と思われがちですが、そうではなく「まばたきの異常」です。まばたきが増え、自由に目を開けにくくなるため、しょぼしょぼ・ごろごろしたり、不快感を感じます。時にドライアイに似た「まぶしい」「かわいた感じがする」という症状が現れることもあり、実際ドライアイを合併することもあります。ドライアイの目薬をだされて経過観察されていることも多いですが、眼瞼痙攣は目薬のみでは治りません。症状が進行すると、まぶたが下がってきたり、全く眼を開けていられない状態となります。はっきりとした原因は解明されていませんが、脳の一部の機能障害、安定剤など特定薬剤の副作用、ストレスなどが考えられています。

ー片側顔面痙攣(へんそくがんめんけいれん)ー
顔の右または左半分(時に両側)がぴくぴくします。目の周りから顔面、口の周りまで徐々に広がり、ひどい場合は顔がゆがみます。原因として、顔面神経が脳の血管によって圧迫されるために起こります。年齢によっては外科的手術もありますがリスクもあるため、MRIで脳の状態を調べた後ボツリヌス療法(ボトックス治療)が有効です。

(治療)
ボトックス(ボツリヌス治療)というお薬を、眼瞼(まぶた)も含めて皮下注射するのが第1選択です。治療により、眼瞼痙攣や片側顔面痙攣を落ち着かせて、症状を軽減、場合により消失させることができます(しかし、根本的な治療ではないので、再度症状は出現します)。ボトックスは認定された医者でしか注射できません。1回の注射で、眼瞼痙攣の場合は平均約3~4カ月、片側顔面痙攣の場合は平均3~6カ月(それぞれ個人差があります)効果があるといわれています。ボトックスは認定された医師しか使用できません。ドライアイ症状が治らず悩まれている方は、一度診察をお勧めします。眼瞼痙攣も含めた異なる病気が隠れているかもしれません。

-ボトックス注射1回の費用-

*別途、診察料・検査代がかかります。

-ボトックスの効果-
・注射後、数日で効果が現れてきます。
・2〜4週間で効果が最大になります。
・3〜4カ月で徐々に減弱していき、再び注射前の症状に戻ります。